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大学一年生のはじめに学ぶこと

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 大学での学びと高校までの学びの違う点はどこでしょうか? 大きく3つあります。 まず一つ目に、自分で主体的に学ぶということ。 大学に入った時、初めに戸惑いを感じるのは、「自分で履修する授業を選ぶこと」だと思います。 「必修科目」といって、必ず履修しなければならない科目と、「選択科目」で自分で選択できる科目があります。必修科目は、その学部で学ぶ学生は必ず身につけておかなければならない知識を得ることができます。選択科目はどうでしょうか。これは、一つの学部の中でも、さまざまな講義が開講されています。 なぜかというと、大学は各専門分野の研究者が講義を行うからです。 大学は様々な研究をしている研究者たちがいます。 研究者たちが直接、学生の皆さんに最新の研究も踏まえ、かつ、各学問領域で構築された知識を、講義を通じて教えてくれます。 そのため、授業の内容も多岐に渡ります。 この中から、学生は自分で「受けてみたい」と思う講義をとるわけですね。 そこで、大事になってくるのが「シラバス」です。 「シラバス」にはその授業の内容や用いる教科書、成績評価などが書かれています。 自分が興味のある授業はどれだろう、と探す時間は、ショッピングの時のように楽しいですよね。 好きな科目、興味のある科目が見つけられたらラッキーです。 大学生の学びではこの主体的に学ぶことがとても大切です。 主体的に学ぶということは自分を大切にすることにもつながります。 なぜかというと、私はこんなことに興味があるんだ、と気づくことにもなるからです。 高校生までとの違いの二つ目は、なかなか正解がない、ということです。 私も授業をしていて、教科書で書かれている確立された話はもちろんいたしますが、それでも本当にそうなるのかな?ということは、生きている経済現象を扱う上で必ず湧き上がる疑問です。 高校生までは、教科書に書かれていることは絶対、先生の言うことはいつも正解、と思って勉強してきたかもしれませんが、意外とまだわかっていないことってたくさんあります。 そして、それらに挑戦するのが大学生以降の学びです。 新たな発見を自分でできたら楽しいですよね。 そんな自分の発見や自分の思考をレポートに書くということも大学生には必須になってきます。 これが高校生までとの違いの三つ目です。 大学生になると、レポートを書くことが格段に多いと...

小学校の教員の人気(採用倍率)が低下しているのはなぜか?

今年の3年生のゼミで、「小学校の教員の人気(採用倍率)が低下しているのはなぜか」というテーマで学生らが研究をしました。 都道府県別の2010, 2015, 2020年のパネルデータを用いた実証分析です。 1. 回帰分析 採用倍率=α+β 1 *平均勤続年数+β 2 *有効求人倍率+β 3 *教員給与(対数)+β 4 民間企業給与(対数)+β 5 *人口に占める小学生の割合+β 6 *人口に占めるその年の大学卒業者数+ε it 2. データ 用いたデータはこちらです。 変数名 定義 出典 倍率 教員 採用試験の倍率 文部科学省 公立学校教員採用選考試験の実施状況(平成 22 年度、平成 27 年度、令和 2 年度) 平均勤続年数 教員 の平均勤続年数 平成 22 年度、平成 28 年度、 令和元 年度「学校 教員 統計 調査」 有効求人倍率 一般 職業 の有効 求人倍率 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)、都道府県(受理地別) 労働市場関係指標 教員給与(対数) 教育 公務員の給与をログで表示 平成 20 年、平成 25 年、令和 2 年「地方 公務員給与 実態 調査」 民間企業給与(対数) 民間 企業の給与をログで表示 平成 22 年、平成 27 年、令和 2 年   厚生労働省「賃金構造基本調査」 人口の占める小学生の割合 人口 の占める小学生の割合 平成 22 年度、平成 27 年度、令和 2 年度  文部 科学省「学校 基本 調査」 人口の占める大卒の割合 人口 の 占めるその年の大卒 の割合 平成 22 年度、平成 27 年度、令和 2 年度  文部 科学省「学校 基本 調査」 3. 結果 記述統計 平均 中央値 標準偏差 最小値 最大値 倍率 4.81 3.60 3.80 1.40 25.2 勤続年数 19.6 20.3 2.67 12.6 24.8 有効求人倍率 1.49 1.56 0.54 0.37 2.81 教員給与(対数) 3.84 5.58 2.52 0.03 5.69 民間企業給与(対数) 2.53 2.53 0.04 2.41 2.66 人口の占める小学生の割合 0.05 0.05 0.004 0.04 0.07 人口の占める大卒の割合 0.003 0.002 0.002 0.00 0.01 (1)Pooled OLSによる結果 標...